都議会便り

2008年2月27日

<AEDの設置と普及について>
東京都における救急車の現場到着時間は最近では平均で6分程度ですが、深刻な状況にある救急患者に対しては、一刻も早い対応が必要であり、救急車が到着するまでの間の応急手当が重要であることは、言うまでもありません。一連の応急手当のなかでも、AEDを使用した蘇生効果は、すでに多くに知られているところです。
昨今、官民を問わず、多くの人が利用する様々な施設において、AED設置の取り組みが急速に進んでいますが、AEDを使用した蘇生へのタイムリミットを考えると、残念ながら満足な数には未だ達していないと言わざるを得ません。
街中にAEDが目に付く状況にまで設置し、それを使える人を育てて行き、いつでも、どこでも、だれでもがAEDを効果的に使用できる環境を整えることが望まれます。
こうした観点に立って、都有施設を管理する各局においては、都民の尊い命を守るため、今後とも自らの管理施設へのAED設置を積極的に進めていただきたいと思います。特に、都庁舎のAED設置に関しては、東京都の施設の手本となるよう整備されることを望みます。
AEDの普及とあわせて、実際の救急現場において、的確にAEDを使用できるという指導も必要ですが、このAEDを使えば命が救えるという「命の尊さ」を学ぶ観点も重要であると考えます。その一例として、幼年期から段階を追って命の尊さに触れ、高学年に進むごとに、「心配蘇生法」や「AED講習」を学ぶというアメリカ・シアトルでの「命の教育システム」は大きな成果をあげていると聞きます。

Q1 そこで教育庁は、都立学校のAEDの設置状況および各校内においてどのような場所に設置しているのか、また生徒や教職員にたいしてはAEDの機能や操作方法をどのように周知しているのか、それらの現状と今後の取り組みについて伺います。
私の地元、板橋区では、民間企業の協賛を得て、企業の広告付きAEDを区有施設に無料で設置していくという取り組みを始めています。都施設の中でも駅や体育館・動物園・美術館など、人が多く集まり、広告・宣伝効果の高い場所には、板橋区のようなAED設置の取り組みも考えられるのではないでしょうか。

Q2 現在、都営地下鉄では、全駅に、AEDが一台ずつ設置されていると聞いていますが、利用客の多い駅や、広い駅では、不十分ではないかと思われます。そこで、交通局として、AEDの増設や更新時などに、企業の広告付きAED設置の取り組みを検討してはどうかと考えますが見解を伺います。

Q3 次に、街中への配置を進めるためには、警察施設やコンビニエンスストアなど都民の認知度が高い施設が考えられます。なかでも警察施設への設置は、都民の安心・安全を守る上で極めて必要だと考えますが、現在の警察施設の設置状況と今後の設置計画について、警視総監の所見を伺います。

Q4 さらに、救護の場でAEDが効果的に利用されるためには、AEDの設置場所があらかじめ都民一人ひとりに分かりやすく伝えられることが重要です。そのためには、東京都として都有施設のAED設置情報を取りまとめ、積極的に都民に提供していく必要あると考えますが、見解を伺います。

<DV防止対策について>
この一月から施行された「配偶者からの暴力防止法」いわゆる「DV防止法」によって、支援対策の拡充が図られたところですが、最近では、婚姻関係がなく、内縁関係とまでは言い切れない若年層の男女間で起きる暴力について、デートDVという概念が提示され始めています。
デートDVは、以前から厳然として存在しながら、ほとんど社会的に問題にされてきませんでしたし、被害者自身が被害意識をもつことさえ困難な場合があるようです。一般的なDVの特徴に加えてデートDVは、思春期・青年期の特徴的な心理や性意識・行動が影響しているといわれます。
昨年11月、内閣府は若い恋人同士の間で起きる「デートDV」に関する初めての調査結果を発表しました。それによると、通信手段のはずの携帯電話が、相手に干渉したり束縛したりする道具になり、精神的被害を与えているケースもあったとのことです。
日本DV防止・情報センターが行った「デートDVの被害者に関する調査」では、相談したり、打ち明けたりする相手の半数以上が友人という結果でした。しかし被害者と同年代の友人が相談を打ち明けられても、問題解決に対処できるはずもなく、被害者とともに右往左往してしまうのが実情です。
デートDVの相談は、悪質で緊急性の高いものだけでなく、非常に細かい具体的な相談にのりながら解決しなければならない場合も多くあります。

Q1 これらのことを踏まえ、暴力に苦しむ若い被害者の、気づきから相談対応に向けた、一貫した対策が重要であると考えます。そこで、暴力についての認識が十分でない若い世代への、東京都としての対策について所見を伺います。

Q2 また、昨年、北海道では、妻などが配偶者に暴力を振るう被害が激増したという報道がありました。2006年に内閣府が発表した「男女間における暴力に関する調査」報告書によれば、女性全体で「DVの被害に(複数回)あった」としたのは10、6%だった一方、男性では2,6%。「1,2回あった」を含めると男性では17,4%がDV被害の経験者という結果になっています。女性に比べれば少ない割合ですが、男性にもDVの被害者がいるという現状があるということです。さらに「被害の相談」については、「どこにも誰にも相談しなかった」は、女性の46,9%に対し、男性では84,4%と、男性のほとんどはDVの被害に遭っても相談しないという傾向がみられることから、男性の被害者の割合は、調査結果を大きく上回ることも推測されます。この様な事から、東京都は、男性被害者の相談体制など、どのように対応しているのか伺います。

<動物との共生社会の実現について>
中国産の冷凍餃子を端緒として、食品の安全を巡る議論が頂点に達している観がありますが、ついに、ここにきて、「ペットの食の安全」にも大きな動きがありました。有害物質を含むペットフードの製造、販売、輸入の禁止などを盛り込んだ法案の概要が2月20日に明らかにされたことです。これは、昨年、アメリカで有害な中国産原料を含んだペットフードを、犬や猫が食べて死んでしまった問題をきっかけとして、日本でもペットの「食の安全」に対し不安の声が上がっていたのを受け、検討されてきたものです。これは、まさに、少子・高齢化や核家族化の進展の中で、ペットが家族の一員として存在することを示す動きと言えるのではないでしょうか。
動物は、愛玩の対象となるだけでなく、その存在自体が飼い主の孤独を癒し、あるいは家族の絆を強めるものとして、個人や家族間に作用します。しかも、ペットフード工業会の推計によれば、平成18年度の全国の飼い犬の数は、10歳未満の子供の数を上回る、約1,209万頭にもなっていると言います。今や、ペット動物は家族の一員としての枠を超え、社会の構成要素の一つとして捉える時代になったと言っても過言ではない数字です。
実際、介助犬や盲導犬などは、一定の使命を与えられ、社会に貢献していますし、動物のもつ「癒し」や「ぬくもり」の効果を活用して、精神生活の安寧、健康の増進、機能障害の回復、他人とのコミュニケーンの促進など、いわゆる動物介在活動や動物介在療法が有効な効果をもたらすという報告がされるなど、私たちの生活や社会の中で動物は大きな役割を果たしています。
そうした動物の増加によって、従来の、地域の環境問題への取り組みや、子育て・教育問題などでつながるコミュニティと同じように、これからは、動物の存在を軸とするコミュニティが、性別・職業や年代を超えた広がりを見せてくるのではないかと思われます。
こうした中、都は、平成19年4月に「家族の一員」から「地域の一員へ」をキーワードとして、人と動物との調和のとれた共生社会の実現に向け、今後の動物愛護管理行政を方向付ける「東京都動物愛護管理推進計画」を策定しています。
動物の存在が、かつてないほどに社会性を持つようになってきている現状を踏まえるとするならば、動物を構成メンバーに入れて、地域社会のあり方につき明確なイメージを持って、施策を展開していくことが必要になってきているのではないかと思います。

Q1 そこで、まず、東京都が、動物愛護推進計画によって目指す、人と動物との調和のとれた共生社会とはどのようなことを言うのか伺います。
また、共生社会というからには、人も動物も生かされなければなりませんが、そのためには、終生飼養、つまり、動物の面倒を最期まできちんと見とどけるということを社会共通の価値観としていくことが重要であると思います。
というのも、単身者や高齢者によるペット飼育が増加するにつれ、飼い主が病気になったり、不幸にして亡くなられた場合などに、飼われていたペットが路頭に迷うという現実を耳にするからです。一人暮らしの飼い主が亡くなられた末、発見されるまでに何日もかかり、衰弱した状態で保護された悲惨な例もあったと聞きます。
もちろん、動物を飼う以上、万が一の場合に備え、手当てをしておくことが飼い主の責務であるとは思いますが、なかなか現実はそううまくいかないこともあるようです。その様な時に動物が行き場を失ってしまうようでは、共生社会も残念ながら絵に描いた餅と言わざるを得ません。

Q2 そこで、飼育が困難になった場合の対応など、地域社会の中で、高齢者等の動物飼育を効果的に支援していく方策を検討すべきと考えますが、所見を伺います。

<ワークライフバランスについて>
2006年12月の将来推計人口によると、2055年には総人口は8993万人、合計特殊出生率は、1,26.出生数は50万人を下回り、高齢化率は40,5%になるとして、より一層の少子高齢化の進行を予測しています。
子供の数が減ることで、世帯構造にも変化が出ています。20年前には、18歳未満の未婚の子供がいる世帯は、全世帯の46,2%でしたが、2006年には、27,3%と大きく低下しています。今後一人暮らしの世帯数が日本の全世帯の類型のトップになると推計され、もはや「夫婦2人と子供2人」という家庭は、標準的な姿ではなくなってきています。
政府は、2003年に少子化対策基本法を制定。2004年に「子供・子育て応援プラン」をつくり、女性だけではなく、男性の働き方の見直しや若者の自立支援まで、施策の範囲を広げました。この様に法整備が進むとともに、様々な両立支援のための制度を導入する企業も増えてきています。
東京都男女平等参画審議会専門調査会の報告によると、現状では、これらの制度が十分に活用されているとは言い難く、企業における働き方の改善が進まないために、ワークライフバランスの定着も進んでいないのが実情とあります。
また、人材紹介大手のリクルートエージェントによる調査で、ひと月あたりの許容できる残業時間を聞いたところ、三十代では「31~50時間」が44%で最も多かったのに対し、十~二十代は「30時間まで」が42%で最多だったとの事です。残業に対する世代間の考え方の違いが鮮明に現れています。
そこで、施策の実効性を高めるためにも、いわば職員を雇用している大事業主たる東京都が、都職員のワークライフバランスについて環境を整えることが必要だと考えます。
こうした観点から、都は、事業主として都職員のワークライフバランスの推進に、積極的に取り組むべきと考えますが、見解を伺い私の質問を終わります。
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