2010年9月29日
<医療について>
先日、私の地元 板橋区にある帝京大学病院で、複数の抗生物質が効かない多剤耐性アシネトバクター菌による院内感染問題が発生し、病院側の院内感染に対する認識の甘さを指摘する報道が連日のようになされ、社会的にも大きな衝撃が走りました。病院は、現在でも原則として救急車や新規入院患者の受け入れの自粛を余儀なくされている状況です。帝京大学病院は「特定機能病院」として高度な医療を担い、救急医療にも力を入れるなど3次救急の指定も受けています。最先端の設備を誇る病院がなぜこのような事態に陥ってしまったのか残念でなりません。その後相次ぎ、二つの病院で感染が確認され国内での広がりが懸念されました。
アシネトバクターはどこにでも生息する毒性の弱い菌で、健康な人には問題がないようですが、抵抗力の弱った人が感染すると重症化するケースがあるとのことです。感染ルートの解明や対策の整備が急がれるところではありますが、患者の命を預かる病院において、患者がおざなりにされる対応であっては本末転倒になりかねません。そこで、この問題について都としてどのような対応をしてきたのか伺います。
また、この多剤耐性アシネトバクターに対して、健康な人にも感染すると言われる新型の多剤耐性大腸菌が独協医科大学病院で国内で初めて検出され、九州大学病院では多剤耐性肺炎桿菌が確認されています。世界的にはむしろこちらの耐性菌のほうが問題視されており、今後、都は、多剤耐性菌の院内感染対策についてどのような取り組みを行うのか伺います。
次に、板橋区の東京都健康長寿医療センターにおいて、向精神薬が大量に所在不明となったことについて伺います。本年4月から8月のわずか4カ月の間に3万4千錠もの向精神薬が所在不明となっています。所在不明となった薬剤は、第3種向精神薬に類し、麻薬及び向精神薬取締法では記録管理が求められていないとのことですが、短期間にこれだけ大量の向精神薬が所在不明となっていたにもかかわらず、異常に気が付かないその薬剤のチェック体制はおろそかと言うよりありません。高齢者の健康の維持・増進に寄与し、効率経営を目指して地方独立行政法人化に踏み出したわけですが、その改革への取り組みに不十分な面があったのではないでしょうか。設立団体である都としての見解を伺います。
また、東京都健康長寿医療センターは、平成25年度の開設を目指して新施設整備を行う計画があります。新施設においては、この度のことを踏まえた上でも医薬品等の在庫管理が適切かつ効率的に行われることが必要ですが、都としてどのように考えるのか伺います。
次の質問です。今年の夏は、記録ずくめの猛暑で東京都心では「熱帯夜」の日数が観測史上最多記録を更新し、環境省では、21世紀までに、最高気温が35度以上の「猛暑日」が、現在より最大で年間約20日増えるなどと予測しています。温暖化の進展により、感染症を媒介する蚊の生息域や生息期間の拡大、生息密度の増加などが起こる可能性が指摘されています。ウエストナイル熱やデング熱など蚊が媒介する感染症は、飛行機や船舶によって都内に侵入する可能性が否めません。都内にも多数生息しているアカイエカ、ヒトスジシマカなどは、これら感染症を媒介することのできる蚊であり、病原体を保有・伝播し、感染症を発生させる恐れがあります。平常時からの対策と万一の発生時に備えた対策をとっておくことが重要です。温暖化に伴って高まる感染症のリスクに備え、感染症を媒介する蚊について、都として対策を講ずるべきと考えますが、所見を伺います。
感染症としては、他にも、昨年世界的に流行した豚由来の新型インフルエンザが記憶に新しいところですが、日本の死亡率や重症例の発生が世界的に極めて低かったのは、早期に治療を受けた患者が多かったためと考えられています。これから再流行の可能性が危惧されるなか、油断が広まり対策がおろそかになってはなりません。
また、これ以前より、東南アジアを中心に、強毒型の鳥インフルエンザが鳥から人へと感染する事例が報告されています。ウィルスの突然変異により人から人への感染も懸念されており、こうした事態も常に視野に入れ、都としても万全の体制を講ずることを要望して次の質問に移ります。
女性が乳がんにかかる確率は、平成17年には「22人に1人」と言われていましたが、最新のデータでは「16人に1人」とされ、近年増加を続けており、女性がかかるがんの中では最も多いがんとなっています。東京都の乳がんによる死亡率は、依然として全国で最も高い状況にあり、年間約1,300人の方が亡くなられています。
乳がんの予防対策をさらに進めることが肝心とされる一方で、早期発見、早期治療につながる検診の受診率は低く、検診受診率の向上が乳がん対策における大きな課題となっています。私は、平成17年第4回定例会において、乳がん対策の強化として、検診受診率の向上と質の管理等、体制の整備を強く訴え、マンモグラフィ機器の整備や、一定の能力を有する読影医師、撮影技師の確保などについて質問をいたしました。マンモグラフィ検診について、機器や読影などの実施体制を整備することは、都民が安心して乳がん検診を受けるために重要であり、今年度も計画的に進めていくべきと思います。
平成20年3月に策定された東京都がん対策推進計画においても、がん検診の受診率と質の向上が目標とされていますが、これらの目標を支えるマンモグラフィ検診の実施体制の充実について、この間どのように取り組まれてきたのか、まず伺います。
また、都民の乳がん検診の受診率は、職場で検診を受ける人を含めても30.9%と目標には届いていません。特に、区市町村が実施する検診の受診率は9.1%と全国と比較して低い状況です。平成20年の東京都の調査によれば、乳がん検診を受けない理由の上位には、「心配な時はいつでも医療機関を受診できる」「忙しい」、あるいは「面倒くさい」、「健康に自信がある」があげられ、乳がん検診の意義や重要性が十分に理解されていないことがうかがえます。乳がん検診の受診率向上のためには、こうした調査結果も踏まえ、対象者に対し、受診行動に結びつく効果的な働きかけを行うことが重要です。
そこで都として、乳がん検診受診率の効果的な向上方法を検討するなど、区市町村への支援を行うべきと考えますが、所見を伺います。
東京都では、毎年10月の乳がん月間を中心に、都庁舎のライトアップなどピンクリボン運動が行われていますが、今後はさらに、若い世代を含めて都民の理解や関心を深めていく普及啓発が重要であり、取り組みを一層進めていただくことを要望して、次の質問に移ります。
本年7月に改正臓器移植法が本格実施され、本人の意思が不明の場合でも、家族の意思により脳死下での臓器提供が可能となりました。マスコミの報道によれば、法改正以降、9月24日までの時点ですでに9件、家族の意思による臓器移植が行われています。残された治療法が臓器移植しかない患者にとって、臓器移植は最後の望みであり、多くの方に臓器移植の重要性が理解されるよう求められています。
臓器移植法では「国および地方公共団体の責務として移植医療について国民の理解を深めるために必要な処置を講ずるよう努めなければならない」とされていることから、まず、都民に対する普及啓発を進めることが肝要です。例えばピンクリボン運動などのように、移植医療のシンボルカラーであるグリーンで、都庁舎をライトアップするなど、都は、積極的な普及啓発に取り組んでいくべきと考えますが、所見を伺います。
しかしながら都民への普及啓発に取り組んでも、それが都民の間に浸透するまでには、ある程度の時間がかかることも確かです。特に、今回の法改正で新たに認められた15歳未満の小児については、さらに時間が必要になるかもしれません。このため、脳死によらない移植医療の取り組みについても強化していく必要があると考えます。
都では、今年の3月に小児医療の拠点として小児総合医療センターを開設しましたが、センターに統合される前の清瀬小児病院は、小児の腎臓移植に重点的に取り組み、成果をあげてきました。
そこで、小児総合医療センターにおいて清瀬小児病院の取り組みがどのように継承され、今後どのように取り組んでいくのか伺います。
<雇用・労働政策について>
次の質問です。最近、メンタルヘルスに関する調査結果や国の検討会報告などが新聞紙上で大きく取り上げられ、メンタルヘルス対策のセミナーも数多く開催されており、メンタルヘルスという言葉を目や耳にする機会が多くなっています。先日、知り合いから、「うつ病を発症したために休職していたところ、会社から退職を迫られるようになった」との話を聞き、メンタルヘルス不調者の職場における実態がいかに深刻であるのかを感じました。働く人の心の健康が失われると、本人は長期にわたって苦しみ、働く場を失うなど、生活に深刻な影響を及ぼして、メンタルヘルス不調をきっかけに問題が連鎖的に発生していきます。
専門研究機関が行った調査によると、「メンタルヘルス不調のため一カ月以上欠勤・休職している社員がいる」とする企業が増加しており、このような不調者の増加は、社会的な課題となっています。
そこで都は、職場におけるメンタルヘルス不調者が増加している現状や背景について、どう認識されているのか伺います。
また、職場におけるメンタルヘルス不調は、組織の活力やモチベーションの低下を招き、医療費などのコスト増にもつながるなど、問題は深刻です。今月7日に厚生労働省は、自殺やうつ病での失業などによる2009年の経済的損失額が推計で約2.7兆円に上るとする調査結果を発表しました。本人のためにはもちろん、企業にとっても、メンタルヘルス不調者を一人でも多く減らし、その増加に歯止めをかけていくことが不可欠です。メンタルヘルスに対する企業の取り組み状況をみると、6割を超える事業所が取り組んでおらず、その中には「取り組み方」が解らないとする事業所が多いとの調査もあります。
本来、メンタルヘルス対策は、安全配慮義務に基づき事業者が必要な措置を講ずることが求められていますが、多くの企業では、メンタルヘルスに対する知識やノウハウに乏しく、対応に苦慮しているのが実態です。企業が持続的に発展していくためには、労働者が心の健康を確保し、意欲を持って働くことができる職場を実現していくことが欠かせないと考えます。職場におけるメンタルヘルス対策について、都の企業への支援内容と今後の取り組みを伺います。
<都立高校の学校図書館について>
次に、都立高校の学校図書館の運営について伺います。
学校図書館法において学校には学校図書館を設けなければならないと規定され、学習指導要領でも、学校図書館を計画的に利用しその機能の活用を図り、児童・生徒の主体的、意欲的な学習活動や読書活動を充実することと示されています。
こうした法の規定からも図書館の意義、重要性は誰もが認めるところですが、図書館に勤務する司書の能力によって、その図書館の活用状況も大きく変わるものだと考えられます。
東京都では、昭和45年度に導入し、昭和61年度には全校配置となった学校司書制度も今後3年間で約45%の方々が定年退職することとなります。本年第一回定例会での我が党大西議員の質問に対して、教育長は、「豊富な経験を持つ職員を定年退職後、再任用職員として活用する」と答弁しています。
確かに退職者の活用は、学校図書館にとっても即戦力となる人材の活用という面で有効であると考えますが、一方で、その活用人数は再任用希望者の割合に大きく左右されることから不安定であることも事実です。こうした状況において、今後、都教育委員会では、どのようにして学校図書館の運営を行っていくのかその所見を伺います。
<タクシーに対する都の見解と取組について>
最後の質問です。タクシーの公共交通機関としての認知について伺います。タクシーは、鉄道やバスなど、他の交通機関が限られた時間内に、決められた場所から場所への輸送を分担しているのに対し、個々の利用者のニーズに対応して24時間営業するなど、都市活動に欠かすことの出来ない役割を果たしています。昨年、施行された「タクシー適正化・活性化法」においても、タクシーが地域の公共交通として位置づけられ、各自治体は、タクシーに対する認識を高めるよう求められています。今やタクシーは、バスや鉄道と並ぶ重要な公共交通の一つになっていると考えます。そこで、地域の公共交通を担うタクシーに対する都の見解と取り組みについて伺い質問を終わります。
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