都議会便り

平成20(2008)年12月17日

私は、都議会民主党を代表し、204号議案他、知事提出の第全ての議案に賛成し、議員提出議案第29号から同第31号に反対の立場から討論を行います。
原材料の価格高騰などで中小企業が厳しい経営状況を強いられる中、9月のリーマンショック以降のアメリカ発金融危機の影響で、中小企業の資金繰りは、ますます悪化しています。
一方、昨年10月に国が導入した責任共有制度が、中小企業への貸し渋り・貸しはがしの元凶であるとの指摘もあり、制度そのものの廃止又は凍結を求める声も聞かれます。このような中、国は、今年10月31日から緊急保証制度を開始し、その後、責任共有制度の対象外となる業種の指定を増やし続けています。
現在、対象業種は698業種にまで拡大していますが、指定されていない業種の中には、東京に集積するサービス業などの業種も多いようです。東京都としても、これらサービス業などの業種を含め、より幅広い業種が追加指定されるよう国に対して求めるよう、改めて要望するものです。
今回の補正予算案では、こうした国の緊急保証制度に対応して、東京都の制度融資のメニューを創設し、融資目標額を1500億円から1950億円に拡大することなどが織り込まれています。しかしながら、信用保証協会には既に融資の申し込みが殺到し、年末の資金繰りのための融資が年を越すような状況になっています。これでは何のための緊急融資なのかが問われてしまいます。迅速な処理に向けて、東京都としても強力に支援していく必要があります。
また、制度融資に関しては、引き続き、預託金の活用により、さらに低金利への誘導を図るなど、中小企業者の利用拡大に向けて取り組むことをはじめ、債務超過企業や赤字企業など、さまざまな中小企業の資金需要に対応できるよう取り組んでもらいたいと要望しておきます。
また、補正予算では、悪化する雇用環境に対して、道路や公園などの樹木の剪定や福祉施設での奉仕活動などで、東京都と区市町村とで連携しながら、21年度分も含めて、50万人分の公的雇用を生み出すとしています。
しかし、現下の雇用情勢を鑑みれば、いわゆる内定取り消しや非正規労働者に対して、メッセージを発していくことも大変重要です。
東京都として、引き続き、就職氷河期に新卒者となった世代への特別な支援策を講じることや内定を取り消された若者に対して、学校や東京労働局とも連携した対策を講じられますよう求めるものです。また、派遣労働などの非正規労働者の雇用環境を改善するために、処遇改善に取り組む企業への支援充実に取り組まれることを強く要望するものです。
さらに、補正予算案では、厳しい経済情勢の中、都内の中小企業の経営の安定を図り、東京の経済を支えていくため、来年度上半期の都の単独公共事業を前倒しで実施することが盛り込まれています。これは過去の不況時に都が何度か行った景気対策の一手法ですが、工事発注時期の集中を改善するものでもあり、事業規模に不満はあるものの、私たちも中小企業への支援策として必要な施策と考えます。
ただし、これらの工事契約は、ダンピングの排除や適正品質を確保する観点から、積算単価改正サイクルの短縮や工事請負契約におけるスライド条項の適用について、単品スライド方式だけでなく総額スライド方式の適用を検討するなど、市場実態にあった適正な価格で行われるべきです。
また、今後も続くと予想される景気後退の影響を防ぐため、事業執行体制の更なる改善に取り組み、事業範囲の拡大や来年度下期工事の平準化、変動型最低制限価格制度の導入や入札見積の公開など、発注方法の適正化についても検討することを強く求めます。
福祉施設経営改善のための特別融資制度では、まず、つなぎ融資は無利子であり、福祉施設にとっては当座の資金繰りを助ける効果があることから、一定の評価を致します。
しかし、東京の介護保険施設、障害者施設は、度重なるサービス給付抑制を目的とした介護保険制度改定により、赤字構造となって疲弊しています。また、人材流出がとまらず、深刻な人手不足に陥っています。
このような環境で、運営資金融資を受けた場合、当然ながら、新たに収入が増えない限り返済は困難になります。人手不足、運営改善のための根本的処置となる対策を早急に実施されるよう、求めておきます。
前回補正予算に対して民主党が求めた、福祉施設、病院等の耐震診断補助については、乳幼児・要介護者・障害者など、自力避難に困難を伴う方達が利用するところであり、耐震化促進支援にも強力に取り組まれるよう、改めて求めておきます。
周産期医療対策においては、周産期母子医療センター機能の確保として、搬送調整業務を支援するための看護師増配置、休日診療体制の確保、休日・全夜間診療事業の実施、都立病院においては、民主党が設置促進を求めてきた医療クラーク配置などが盛り込まれており、現場の負担を軽減し、都民の安心・安全確保に向けた取り組みが一歩前進したことを歓迎いたします。
しかしながら、代表質問、委員会質問、そのほか申し入れなどで具体的にお伝えしてきた事項については、盛り込まれていないものも多く、人手不足の解消に結びつけるために、十分な対策とは言い難いことも事実です。 
救急対応可能な医療機関の空きベッド確保とその補償、限られた人材という状況下ですが、少しでも救急搬送の調整をスムーズにするため、医師達から要望のあるさまざまな環境整備を進めることなど、一層の取り組みを強く求めるものです。
さらに、各自治体ごとの取り組みとして必要な、正常分娩を取り扱う地域の産科を強化するための取り組みなど、区市町村が果たす役割も重要です。地域のニーズや一次医療資源の状況に基づいた取り組みが進むよう、支援を求めておきます。
こうした事態は、国の医療政策が失敗していることから生じており、解決には高度医療・救急医療に対する政策転換が必要です。しかし、百年河清を待つ間に、東京の医療は深刻な危機に陥ってしまいました。まずは、都が率先して取り組むよう、重ねて求めます。
なお、共産党提案の議員提出議案29号議案から31号議案についてですが、文教委員会、厚生委員会での採決時にも申し上げましたとおり、国における財源措置を含めた教育・社会保障制度の根本的な見直しが必要であり、民主党は一丸となって実現を目指しているところです。
仮に、現行制度のもとで緊急対策を行うのであれば、公的支援を真に必要とする方に対象を絞るべきであり、制度設計を無視した単なる値下げ、単に昔に戻すものであっては、かかった費用に相応の効果は得られません。パフォーマンス目的、税金のばらまきであり、賛同しかねますので、改めて申し上げておきます。
以上、都議会民主党を代表しての討論を終えます。
▲ ページトップへ